★受給者証の更新時に市役所から届く調査票について

平成30年の制度改定により受給者証の更新月に合わせて、市役所から『調査票』が届いているかと思います。これは放デイ事業所が予想外に多くなりすぎて税金投入額が極端に多くなったので、障害の軽い子のケアはラクだろうから事業所への補助金を減額しよう…という前提のもとで行われているアンケートです。アンケートには『事業所に記入してもらってください』とありますが、複数の事業所を利用されている方はどの事業所に依頼したらいいのか迷うかもしれません。そんな時は『上限管理をしている事業所』に記入依頼してくださいね。

さて、この調査で何がどうなるのか…ということですが、受給者証(ピンク色)をご確認ください。

受給者証の表面左下(第3面)の『支給量等』に注目です。

※『23日/月』および『強度行動障害』『個別サポート加算Ⅱ』については別の項で説明させていただきます。

さて、この指標調査ですが市役所によると、障害が重ければ加算がつきますよ、軽ければ加算はありませんよ、ということです。

...で、当然の心配事になりますが、加算されることによって何らかの利益・不利益が出てくるのか...というところが問題になってきます。

市役所は「関係ありません」と言っています。

本当にそうかと言うと、実はそんなことはありません。

まず、加算ありの場合は利用者さんの自己負担額が増える恐れがある、ということが挙げられます。

これは上限額が37,200円の世帯や、上限額が4,600円で月の利用が4回までの人の場合『使った分だけ支払いが増える』ことから、加算が無い場合に比べて1回の利用につき100円くらいの増額になってしまうということです。

(上限額が0円の世帯、および4,600円でも5回以上の利用がある場合は金銭的な負担増はありません。)


では、次に各事業所の現場を見てみます。

実はこれがとても大きな問題で、この指標で『個別サポートⅠ』の加算がついている場合、対象児童が利用するたびに1,000円強の増収になるのです。

これが結局どういうことなのか、もう少し具体的にしてみますと...

現在、七生特別支援学校に来ている放課後等デイサービス事業所はどこも1日の定員が10人となっています。極端な例になりますが、その10人に『個別サポートⅠ』の加算がつけば、単純計算で1日10,000円強の増収になるわけです。

もちろん、それをそのまま...とはいきませんが、1日10,000円あれば最低でも当日のスタッフを1名増員出来るようになるのです。放課後等デイサービスにおける、こどもたちへの福祉には物質的な充実というものもありますが、何よりも安全・安心、かつ楽しく過ごせる環境を作っていくということからも、目と手の充実となるスタッフの増員はとても大きなものであると考えています。

逆に全員に加算が無かったら...。

当然ですが増収はないのでスタッフを増やすなどというわけにはいきません。

このように同じ利用者構成であっても、加算のあるなしでスタッフが増えたり減ったりするかもしれない...というのは、どうにも合点がいきませんが、現行制度上では仕方ないというもののようで、次回の制度改定に期待するしかないのが現状です。


そして肝心の調査の内容ですが、これは厚生労働省からの通達で、保護者や慣れている支援者がいない状況や、初めての場所などの『適切な支援や環境が整っていない状況』において、自立した適切な行動をとることが出来るか否か、というところを問うものとなっています。

小学校1年生から高校3年生まで、全員が同じ物差しで評価される調査となりますが、わかりやすく一言で表すのであれば『今すぐ社会人として一人で行動できますか』ということになります。

学校では一定の段階に到達すると、スクールバスから『公共交通機関を使い一人で通学をする』ことに移行していきますが、放課後クラブも『一人通学が出来るか否か』を目安に評価しています。

もちろん評価のポイントはそれだけではありませんが、一人で通学が出来るということは、他人に迷惑をかけることなく、トラブル時には誰かに助けを求めたり、ツールを使って状況改善を図ったりすることが出来るということなので、そこに至らないということは前述のように『目と手が必要である』状態であり、加算の対象として足るものであると理解していただきたく思います。



放課後クラブで調査票記載する際には、前述のポイントに限らず『社会に出てから本人が生活してくために必要なこと』に重点を置いて判断をしています。学校に通う段階では様々な課題に対して未達な部分が多いことが普通であることから、全般的に『重め』な内容になることが多いことをご承知おき頂きますようお願いいたします。

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